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三次元物理探査船「資源」に再会してきた。 [おとなの社会見学]

三次元物理探査船「資源」の一般公開はたぶん2度目。
始めは2010年に公開していて、そのときもちゃっかり見学にいっているのだ。
興味があったら一回目の「資源」調査報告書も読んでみてくれ。

三次元物理探査船「資源」ってのはどんな船かというとだな。
石油探索を目的として日本の海底を三次元でマッピングしている船だ。
10年かけて日本の海域6万平方キロメートルを探査する任務に就いていて、今は2万平方キロメートルを調査済みだ。

で、どうやって探査してるかというと海底地震探査反射法。
海底地震探査反射法を3つのステップで簡単まとめるとこうだ。
1.深度6mに沈めたエアガンという空気砲で海底に向けて圧縮空気を撃込む。
2.海底からの反射をストリーマーケーブルというハイドロフォンがついた
  音波受信ケーブルで受信。
3.船内のデータ処理装置でノイズなどをクリーニング。
集めたデータは「資源」でノイズ除去などの一時処理を行ったあと幕張の技術センターで本格的なデータ処理を行って海底の3次元図面を描いていく。

三次元物理探査船「資源」の特徴的なリアビュー。
見学ルートは下から順番だ。
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まずはフロートやエアガンが並ぶガンデッキを見学。
エアガンは鋼鉄で重たいからフロートに吊られている。
エアガンには空気線と電気線が繋がれているて、まずエアガンに空気を満タンにする。その後に電気信号で開放させることでバーンと空気砲を撃ち込むのだ。1度に28個のエアガンを同時に撃込むようだ。
ちなみにこのエアガンがお魚さんに当たってもだいじょぶみたい。

船の中段にあるストリーマーデッキに移動だ。エアガンの音波を受信するストリーマーケーブルが格納されているデッキで、でかいドラムが所狭しと並んでいる。
ストリーマーケーブルは全部で10本。長さは6000mもある。船尾から流していくと幅900m、長さ6000mの海域を調査できるようになる。

ストリーマーケーブルが絡まないようにする3つの仕組み(デジフィン・バード・ピンガー)を紹介しよう。まずはデジフィン。舵のような形をしていてお隣のケーブルとの間隔を100mくらいに制御。バードは、飛行機のフラップみたいな装置で深度を6〜10mに保つ制御。ピンガーは位置情報を送信してストリーマーケーブルの形が崩れていないか電波を出して間隔を確認する。

もうひとつリトリーバーってのがある。これはサメにケーブルが切断されたとき海底に沈みかけると浮き輪のようになってケーブルを浮かせる装置だ。ストリーマーケーブルはかなり高価なものみたい。

ストリーマーケーブルを展開するときにかかせないのがパラベイン。凧の原理でストリーマーケーブルを広範囲に広げてくれるぞ。


インストゥル・ルーム
「資源」のコントロールルーム
通常はブリッジで操船を行うのだが調査海域ではインストゥル・ルームで船のコントロールを行う。ここでは4つのチームが活動している。船の誘導、位置データを監視するナビゲーションチーム。採取したデータを判定する品質管理チームが12時間交代で24時間ミッションに従事している。

品質管理チームはストリーマーケーブルで受信したデータのクリーニングを行っている。受信したままの生データはノイズが入っているのでそのままでは使えない。そこでノイズを除去していく作業を品質管理チームが担当している。ノイズには波、サメにかじられる、地震、他の船、飛行機などいろんなノイズがあるそうだ。それを除去していくことでクリーンなデータにやっとなるワケだ。
説明してくれた女性スタッフはノイズの画像をみて「これが波のノイズです。」だって。画像みただけでノイズが判るのかよ。プロだな。


ブリッジ。
資源のブリッジは赤を基調としたトーン。
木もふんだんに使っていておしゃれな雰囲気。日本製の船とは違うな。
資源のブリッジは撮影可能なんでバシャバシャ撮ってきたぞ。
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アジマススラスターの操作卓。
アルカディア号のような舵はなくて片手で操船できるスティックタイプ。
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船首を見るとファンネルが見える。
資源は後方甲板に探査機材があるのでブリッジや居住区、機関は船の前方にあるのだ。
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資源はプール完備。
ほんとにプールで夏には泳いだりするそうだ。
左には「白嶺」の青いデリックが見えてる。
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ブリッジにあるとは思えないくつろぐの空間。
ふわふわなソファーでゆったりできそう。
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「白嶺」と「資源」を合わせて3時間半の見学は非常に充実した内容だった。
見学会を開催してくれたJOGMECに感謝したい。
未来の日本に必要になってくるレアアースやシェールガス、メタンハイドレートなど聞いたことはあるがなんだかよく判らなかった鉱物資源を探査・調査しているのがJOGMECだ。
正直なところ活動内容やJOGMEC自体が世間にあまり浸透していない気がする。
この記事を読んだらJOGMECを覚えといてくれ。そして見学できる機会があったら是非とも参加してみてくれ。どんな質問にも判りやすく答えてくれるし、なんせみんな熱心だ。また見学会をよろしく頼むぜ。

見学会は150名ほどが参加したのだがブログ検索しても一般公開の記事がなかなかみつからんな。この辺りも知名度の低さに繋がってるのかも。


参考:説明はないけど見学のときに見た資源のビデオ
タグ:JOGMEC

JOGMECの新調査船「白嶺」と探査船「資源」の見学コラボ [おとなの社会見学]

JOGMECの新海洋資源調査船白嶺(はくれい)と三次元物理探査船「資源(しげん)の2隻を一度に見学できるチャンスにいってきた。

JOGMEC(じょぐめっく)とは石油天然ガス・金属鉱物資源機構という独立行政法人。
日本の海域に埋蔵されている鉱物資源の探索・調査を行って金属資源の安定供給のためにがんばってる海洋資源のスペシャリストだ。資源が乏しく輸入に頼りっぱなしの日本を資源大国に変えてくれるかもしれない。頼むぜ!

一緒に見学したのは3グループの13名。
鉱物資源に詳しそうなひと達、息子がJOGMECで働いているひと、関連した仕事をしてそうな夫婦、最後にボールペンをくれたJOGMECの一般見学者のひと、単純な質問ばかりしてるひと。(オレのこと)。写真を撮りまくってるひと(これもオレ)。見学はあっという間の3時間半。楽しすぎだったぜ。

「白嶺」は1月に完成したばかりの海洋資源調査船。
最適な船形・推進装置の船体に最新の調査機器を搭載した7つの研究室を持つ洋上の研究所なのだ。
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「資源」はデルタ型をした特徴的な船体をしている三次元物理探査船。
船尾デッキから6000mもケーブルを伸ばして海底を三次元調査する先進的な船だ。
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まず海洋資源調査船「白嶺」に乗船。(船内は撮影禁止。写真で凄さを伝えられなくで残念だ。)
文字ばっかだけどJOGMECスタッフが色々と熱心に教えてくれたから読んでくれよ。

始めにプロモーションビデオを食堂で鑑賞。ちなみに食堂は70名(総員)が一度に食事を摂れる広さがあって電子レンジは2台。テーブルは固定されていた。
「白嶺」は、三菱重工下関造船所で建造。去年のちょうど今頃に命名式と進水式だったようだ。珍しかったのが支綱切断(しこうせつだん)を男性がしてたこと。(支綱切断はだいたい女性がしてる)

ブリッジ
ここでは船長と機関長が「白嶺」の特徴を説明してくれた。なんというおもてなし。
・回転制御がしやすい電気推進式システムを採用。
・推進装置は全部で5つ。
 アジマス推進器×2基
 昇降旋回式バウスラスター×1基
 トンネル式バウスラスター×2基で動く。
・4台の発電機には2段の防振ゴムを装備して船体に振動を伝えないようにしている。
 その理由は船底にある音響ドームの送受波器に影響を与えないためだ。
・アジマス推進器と昇降旋回式バウスラスターは、360度あらゆる方向に船を動かせる。
・2000mを超す掘削をするためには長時間、定点にいる必要がある。
 何日を同じ位置に止めるために必要なのがDPS(自動船位保持システム)。
・DGPS(GPSの上級版)からの位置信号をうけて自動で船の位置を制御する。
・DPSで活躍するのがアジマス推進器と昇降旋回式バウスラスター。
・ブリッジが左右に50cmずつ張り出している。
 調査するときに側面監視できる。僅かな差だがとても有益である。


第1研究室
第1研究室では観測全般とウインチ操作をする。
研究所というかオペレーションルームって感じ。モニタがずらりと並んで海底の様子が見れたり、ジョイスティックでパワーグラブを操作したりするところだ。全部じゃないだろうけどシステムはWindows7を使ってるみたいだな。

「白嶺」の目的は深海艇鉱物資源を探す、見つける、広がりを確認、資源量を算定すること。深海艇鉱物資源とは海底熱水鉱床、コバルト・リッチ・クラスト、マンガン団塊の3つでそれそれ海底に分布している深度が分かれている。

調査の順番は、まず音響調査。マルチビームエコーサンダーシステム、サブボトムプロファイラ、サイドスキャンソーナーでしらべる。
つぎは物理探査。地形図・地質の把握をする。遠隔操作、深海カメラ、無人潜水艇(ROV)で海底を調べる。この物理探査、かなり重要なミッションで海底の地質は固いのか?柔らかいのか?状態は?などその場に応じて掘削の方法が変わってくるから気を抜けないそうだ。

いかん…。専門用語的なのが出てきすぎて覚えきれない。
ちむにー。ちむにー。ってよく言ってたのは熱水噴出孔のことみたい。みんな頷いていたけど、オレは頷けず…。



後部甲板
ここで説明してくれた若きJOGMECスタッフが素晴らしすぎ。
口調、話のペース、内容ともにすっと理解できる判りやすい説明だ。
いままであちこち見学してきたけど、彼ったらナンバー1かも。ナンバー1かも。

CTD採水器。やっと写真の登場だ。
海底資源調査には、環境調査が必要でそのための調査機器。
開発によって周囲に影響を与えないことを評価する必要があるのだ。
12Lの海水を採水する魔法瓶。全部で36本あって好きな水深で採取できる。
センサーがついていて伝導度、圧力、水温も計れるすぐれもの。
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CTD採水器を海にいれるための装置。ギャロス
え?聞き間違えたか?っと思ったけどギャロスでいいみたい。ギャロス。動くときにやかましそうな名前だな。
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“とも”にある、Aフレームクレーン。海底着座型掘削装置(BMS)とかパワーグラブ(FPG)を投入するためのクレーンで50t荷重の力持ち。脇にはあるのは2tの小さいクレーン。
Aフレームクレーンには滑車(シーブ)が沢山ついているてBMSとかFPGを繋ぐ光動力複合ケーブルのためのものだ。
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海底着座型掘削装置(BMS)。メカメカしくてかっこいい。
新型のBMS(Benthic Multi-coring System)でBMS50Mという。
50Mってのは掘削長が50mだから。水深3,000mまで潜って50m掘削できる新型だ。
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ファインダー付きパワーグラグ(FPG)と呼ばれる試料を回収する装置もあった。
パワーグラグの下にはファインダーが付いていて海底を確認しながら海底表面の試料を回収できる。パワーグラグには2つのタイプあって6本の爪で固い地質でもガッツリ回収するUFOキャッチャータイプと堆積物をバケツすくいのように回収するシェル型だ。


船上設置型掘削装置。デリックと呼ばれるやぐらで高さは35m。11階建てビル相当の高さがある。kのデリックで9mのパイプを海底2000mまで繋げてって海底から400mも掘削できる。最大の2000mまで繋ぐのには15、6時間かかるそうだ。デリックの下にはムーンプールと呼ばれる7.5m ×7.5mの池がある。ここからパイプや海底着座型掘削装置、パワーグラブを投入・ 揚収できる。
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以外と盛り上がっていたのが第五研究室。
第五研究室では地質解析を行う研究室でコアサンプルの切断や撮影を行っているところ。実際に沖縄で採取してきたコアサンプルがごろごろ置いてあって触りたい放題。マンガン団塊とか重そうな名前の石は意外にもすげー軽かった。
正直なところコアサンプルにはあまり興味がなかったんだが、他の見学者はコアサンプルに興味津々。
コアサンプルは無影灯で撮影。ほんとに影でないのかよと手をかざしてみるとほんとに影がでない。


船内見学は以上だ。下船して船体の自由撮影だ。
「白嶺」の船体にはJOGMECのシンボルマークは地球をモチーフとしている。
3つの形は石油・ガス・金属鉱物資源を表現しているそうだ。3つのカラーは「自然(グリーン)」「大地(オレンジ)」「誠実(ブルー)」だ。いいセンスしているじゃないか。
ファンネルにもマークが入っている。白嶺丸、第2白嶺丸でも使われていた日の丸に白の富士山を形 取ったものを受けついているぞ。
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船首は普通の船と同じ感じ。
Bみたいなマークは船形がバルバスバウの意。スクリューマークは下にバウスラスターがあるよってこと。見逃せないのが船体カラー。喫水部分は深海をイメ ージする濃紺。船体は「白嶺」の白。ポイントとしてデザイン化したJOGMECの頭文字の「J」を空色で描いている。
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「白嶺」と「資源」の2ショット。
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今回もひっくい目線で質問をしてきたぞ。
JOGMECのスタッフはどんな質問でも真摯に答えてくれた。

Q:自動船位保持ってのは勝手に制御してくれるということか?
A:そうだ。DGPS自動で制御される。
  もちろんトラブル時は手動で制御する。

Q:どのくらいまで揺れてもだいじょぶなのか?
A:風速15m/s、波高3mだ。

Q:それを超えたらどうなるのだ?
A:がんばって船位保持をする。

Q:船位保持はどうやっているのだ?
A:とものアジマスとおもてのバウスラスタの5つで制御する。
  2つのアジマスと昇降旋回式バウスラスターの三角形の中心を
  ずらさないような制御と思っていい。

Q:アジマススラスターの語源は魚のアジとマスか?
A:全く違う。アジマス(azimuth)は方位のことだ。

Q:BMSやFPGは、ケーブル一本で繋がるだけか?
A:そうだ。
  新BMSは38.1mmφ、FPGは26.4mmφの光・動力複合ケーブルで接続する。

Q:BMSは、平坦な海底にしか降ろせないのか?
A:いや。傾斜を想定している。
  下部にある3脚の接地脚が垂直に独立して伸縮するして段差を吸収する。
  1mの段差、30度の平面傾斜地に設置可能だ。 

Q:6本爪のパワーグラグは、UFOキャッチャー式と思っていいか?
A:かまわない。
  横からでなく上からの視野でキャッチするから難易度は高い。

Q:海底熱水鉱床、コバルト・リッチ・クラスト、マンガン団塊は
  同じとこにあるのか?
A:違う。それぞれ集まりやすい深度がある。

Q:海底熱水鉱床は熱水というだけあってすごい熱いのか?
A:いいや、そうでもない。
  鉱物を含む熱水が冷却されて沈殿した鉱床だから熱水鉱床と呼んでいるのだ。


参考情報 Youtube
最新鋭海洋調査船「白嶺」、メディア初公開
 記事に書いた抜群の説明スタッフは1:23の彼だ。

最新鋭の海洋資源探査船を公開 275億円で建造


三次元物理探査船「資源」編に続く。

タグ:JOGMEC