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世界最速のおしゃれシールドマシン始動 [首都高]

crown_w.png今日は東京都大成建設さんのご好意で現場を見学できることに。
その現場とは中央環状品川線のシールドトンネル工事現場。発進前のぴっかぴかのシールドマシンをみれる超レアな機会にいつになく興奮気味だ。
#この報告書は再提出したものだ。

見学させてもらった内回り本線は東京都の街路事業として建設されていて品川線が開通すると中央環状の完成だ。
中央環状品川線の役割とどんな便利になるかは東京都第二建設事務所のホームページのなかにある中央環状線を読んでみて。どんなビックプロジェクトなのか判るぞ。


集合場所の現場事務所には本工事の説明パネルが惜しみなく展示されていた。
現場見学の予習にはもってこい。パネル全部を冊子にしたのがほしい。
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見学のナビゲーターは大成建設の西岡統括所長にしていただきました。
柔和な雰囲気の中に現場の匠オーラがでまくってるお方。
嬉しいことに「今日はお時間ありますか?」とフルコースでもてなしてくれるそうだ。
まずは品川線シールドトンネル工事-2について説明してもらった。
余談を挟みながらパワーポイントで詳しくレクチャー。興味深い話ばかりで面白い。
こちらのスキルを確認しつつ説明してくれて判らない用語もその場で教えてもらえた。判らないことは途中でどんどん質問をできたので最後まで非常に判りやすかった。

シールド工事のポイントは3つ。
・工期の短縮 ・トンネルの質向上 ・環境への配慮

これをこなすために『シールドマシンの長距離高速化』『セグメントの耐久・耐火性能の向上』など新しい技術を取り入れている。さすが技術点が決め手で落札しただけに高度技術がてんこもりだ。パワーポイントで最先端のシールドマシン技術を教えてもらった後はいよいよ現場へ向かう。

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立坑の入口を進むと地下にシートに覆われている巨大なシールドマシンが見えた。想像以上にデカイ。組み立ては終わっていて電気系統を整備している最中だ。
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足場をどんどん下って地下30m。見上げると地上は遥か上。
左のが降りてきた足場でド真ん中に写っているのがシールドマシンの後部。
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新品のシールドマシンは“φ12.53m泥土圧式シールド掘進機”
IHI・JFEエンジニアリングが制作したモンスターマシーン。
頼もしい後ろ姿にモンスターの片鱗が伺えるぞ。
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発進するときにシールドマシンを支えてくれるコンクリートの壁。
まずはこの壁に鋼材をかまして進んだ後は組み立てたセグメントを反力にして進む。
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『倣い制御半自動エレクター』と『セグメント空中受け渡し装置』について詳しく聞き忘れてしまったところ大成建設の西岡さんがメールで教えてくれた。
倣い制御半自動エレクターとは既に組みあがった、1リング前のセグメントの位置をセンサーで把握して、このセグメントに倣って調度良い位置に組み立てるセグメントを自動的にコンピューター制御で持っていく機構を付けたエレクターで、この機構をつけることで、隣のセグメントとの段差や、円形のつぶれの少ないリングを組み立てることができます。
なんで全自動じゃないの?というとやっぱり“人間が目で確認”してからOK釦を押して組上げる職人の太鼓判仕様にしたから。全自動にもできたけどあえて『半自動』。半自動にしたは数ミリオーダーの誤差を修正して高いクオリティーを追求するトンネル職人のこだわりなのだ。
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空中受け渡し装置はセグメントを空中で受け渡して時間を短縮するため仕組み。
わずかな時間短縮でも全部で約4500リング×8セグメント(1リング)もあると結果的にとても大きな時間短縮になる。
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外周に数字がふってあるのが高速押し出しジャッキ。円弧上に全部で60本あるぞ。
掘進速度は50mm/minで1ヶ月に567mも進む驚異的な速度。
たぶん世界最速!1リングを一時間で組み立てるのが目標らしいぞ。
※隣で掘っている鹿島建設のシールドマシンは月進400m
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さらにすげーのがこのシールドマシンは8kmの長距離を一気に掘り進んじゃう。
これも世界ではじめての試みで途中に立坑もないから信頼性がものをいう。
長距離掘削を可能とするためにカッタービットをいろいろと工夫している。
まずはカッターフェイスをみてくれ。
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どーよ?おしゃれくね?
五輪をイメージした色使い。(残念ながら東京は落選しちゃったけど)
あまりにも過去に例をみないカラーリングはやや不評のようだけど見学の参加者はみんな声を揃えて。見えないところがおしゃれなのだ。


長距離を一気に掘り進むためのビットの紹介だ。
まずは強化型先行ビット。よーくみるとビットが高低差をつけて配置されているのがわかる。これは高いビットが摩耗したら低いビットが削りだす二段構えの仕組みだ。さらにこのビットはE3種で作られて硬質で耐摩擦性に優れた金属なのだ。
右下の方にちょっと見えるのが最外周レスキュービット。もっとも摩耗しやすい最外周のビットが減っちゃったときにサポートするお助けビット。もしものときの備え。
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次は二重ビット。
摩耗していくとお古ビットがボロっととれてニュービットがでてくる二重ティースビット方式。そんなにうまくとれんのかと思う?ちゃんと実証試験してるからバッチリうまくとれるそうだ。仕組みを考えつくものスゴいけど実現させちゃうのがすげぇ。
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カッターフェイスの裏に控えめに見えるのが土圧計。右下にある小さい丸型やつ。
泥土圧式シールドマシンが安定して掘削するために必要な計器。
左上の黒い棒は掘削した土砂をチャンバー内で撹拌するための撹拌翼だ。
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チャンバーの最下部にはスクリュー。ここから掘削した土砂を掻き出す。
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写真はシールドマシンの発進部。左に向けて掘削を開始する。
NOMSTという新素材コンクリートの壁でシールドマシンがぶち破ってすすむ。
このNOMST壁で土留めすると発進・到達時に地盤の改良をしなくてもよくなった。
壁に穴があいているのは最初に掘削しやすいようにあけてる。(実は開いてなくてもだいじょぶらしい)センターカッター部はフィッシュテール方式。

※Novel Material Shield-cuttable Tunnel-wall System
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地下見学したあとに地上施設を案内してもらう。
移動途中であった作業車のフロントに注目。たしかにデカイことしてました。
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ここは掘削した土砂を海上輸送するためのコンベヤ
船を使って土砂を搬出することでCO2の削減,ダンプ台数の削減による渋滞の緩和など周囲の環境に配慮した施工になっているぞ。
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ここから土砂を船に載っけて一度に500m3を運べる。大型ダンプ約100台分の土砂を一回で運べちゃうのでCo2をたっぷりと削減できそうだ。掘削した土砂は横浜の南本牧で活用されるそうだ。船で運ぶのは簡単なようだけど運搬する許可を取ったり航路を考えたりと前例のないことだけにかなり大変だったそうだ。
111415.jpgよくみると船が岸を壊さないように養生してるのが判る。

この工事はスーパーゼネコンが隣り合わせで工事を進めてる。
真ん中のグリーンシートの左側が大成建設さんで右側が鹿島建設さんのお隣同士。
後ろの現場では大林組も工事をしていてスーパーゼネコンの技術展のようだ。
左側に見える緑色の道路をまたいているのが上の写真の海上輸送用コンベヤだ。デカイことしてるトラックも見える。
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最後に事務所に戻ってカブガブお茶を飲みながら質問タイム。
今回は偶然(!?),“見学のプロ達”と一緒だったこともあって盛り上がった見学だった。
プロ達のつっこんだ質問やオレのゆるい質問にも次々に答えてくれてる。

話を聞いてみて思ったのは,どんな仕事でもやってみてダメならもう1回やってみるか的なところがあるけど土木現場は一発勝負。そんな中でコスト,納期を守り環境,安全に配慮してる。うーむ。やっぱ土木屋はすげぇ。自信と誇りを感じました。

まさに地図に残る仕事
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これからの進捗が楽しみで何度でも見学したい現場。
大成建設の西岡さんは追い込み作業中にもかかわらずたっぷりと時間をかけて案内していただきました。どうもありがとうございました。
本掘進したら後続台車を引き連れた姿を楽しみにしてます。また案内してください。


見学をご一緒した人達のなかにオレが勝手に社会科見学のカリスマだと思っている方が偶然いたので最後にちょっと話しかけてみたぞ。あー、ドキドキしたぜ。


中央環状線品川シールド工事




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